近頃はどのファッション誌をみてもセットアップを推しています。今までの「スーツ」という概念に収まりきらない「セットアップ」は、スーツを着慣れた人にには「ラクさが欲しいけどカジュアル過ぎないのがいい」と、スーツを着慣れてない人には「 気張らない服装がいいけど、大人っぽく見られたい」、今の時代に共にある二つのデマンドを調和させるものなのかもしれないですね。と、いうわけで紹介するのは Lardini(ラルディーニ)の2020年春夏の新作、easyスーツと呼ばれるセットアップです。
【ラルディーニ 2020年春夏新作セットアップ】
<ラルディーニ 2020年春夏 ポリエステルコットン セットアップ>
【ジャケット】ノッチドラペル、 2つボタン フロント、パッチポケット 、背抜き仕立て 、袖 眠り切羽 仕上げ
【スラックス】 ジップフライ、 ワンタック(ワンプリーツ)、 ゴムウエスト/ドローコード
【カラー】ダークネイビー(濃紺)
芯地のほとんどない薄いスーツですが立体裁断です。2ボタンにつながるラペルの幅も太くなく襟も固くなく、「ゆるり」としています。ファッション誌的に言うと「抜きスーツ」といった感じでしょうか。襟もとにブランドのアイコンであるお花(ブートニエール)。後ろはサイドベンツ。
裏地や芯地は最小限にとどめ、着心地は軽く、風を感じます。重さは全くありません。
ウエストはゴムでドローコード(紐)。ポケットはストレートポケット。ブランドは違いますが、PTトリノの人気モデルAlternative Fitのあのゆるっとした感じにも似てます。ただし、ずるずると伸びる感じのウエストではない。ハイウエストで、裾に向かって綺麗なテーパード。
パンツに深め(2.5cm)のアウトプリーツ。 プリーツの向きが外側に向かっているものをアウトプリーツと呼びます。 このパンツは股上が深いのが特徴。
着てみた全体像はこんな感じ。深めの股上から裾に向かって綺麗流れるテーパードラインが伝わりますでしょうか。普通にネクタイをして着るのも、インナーや靴をカジュアル寄りに変えて着るのもどちらもおすすめです。 カジュアルとビジネスの間を取りたいときにも最適 。
youtubeでは、Tシャツにベストをきて、一番今っぽい感じにまとめてみました。 動画で見ていただけると実際に着た感じが伝わるかと思います。
ウエストのコードがアクセントにもなります。紐が見えなければ普通のスーツとして着ることができます。
素材について
こちらの商品はポリエステル75%、コットン25%の混紡です。コットンは天然素材で吸水性があり、肌触りがいい。その反面乾きにくくシワになりやすく型崩れしやすい。ポリエステルは合成繊維で乾きやすくシワになりにくい反面、吸収性は少ない。つまり、この両者はお互いを補完できる存在。
ポリエステルと綿の特性が調和し、吸収性が高く乾きやすく、シワになりにくい素材になります。コットンのスーツは春夏素材と思われがちですが、生地の織り方や仕立て方によって幅広い気候に対応でき、家での洗濯も可能なので意外に汎用性が高いのです。そこに加わるポリエステルは改良が年々進んでいて、さらに快適で着回しのきくスーツが作られるのです。その好例がこの、ラルディーニのeasyスーツです。
ポリエステルというと、どうしても化学繊維にありがちな、のっぺりと単調な風合いを連想しますが、実際わたくしどもの店でハンガーにかかったこのスーツに触れたお客様の多くが「いい生地ですね~」とおっしゃいます。やや光沢感があって、高級感もあるんですよね。
靴を白いスニーカーに変えても、インナーを襟付きシャツに変えても素敵ですね。ダークネイビーの色合いといい、非常に汎用性が高い一着です。