CAMICERIA(カミチェリア)という単語をお聞きになったことはあるでしょうか。
カミチェリアとは、イタリア語でシャツ屋という意味。つまりシャツ専業のメーカーのことです。
イタリア服を取り扱って15年以上たつなかで、私どももたくさんのカミチェリアと出会ってきました。 近年ではGUY ROVER(ギローバー)、SONRISA(ソンリーサ)、そして今回ご紹介するORIAN(オリアン)など。どれも品質と価格のバランスに優れ、「普通にイタリアらしい」シャツだから。
ところで、なかなか店舗にご来店いただけないお客様のためにお買い物気分を味わって頂こうと、先日youtubeで店内ツアーと称したご案内をいたしました。
そのなかで映った、テーブルの上にざっくりと置かれたORIANのシャツはほんの一部。なんと100型以上が入荷しました。
コロナ禍も一年がたってしまい、なんとなく、今また新しいシャツが着たい気分です。
Gian Gaetano Orian(ジャン・ガエターノ・オリアン)が、1990年に北イタリア・ヴェネト州にあったシャツ工場を買い取りスタートしたブランド。「着る人の個性を際立たせるシャツ」 を理想とし、シャツ自体の主張や過度な装飾を排したエレガントな雰囲気を纏うオリアンのドレスシャツ。伝統的なサルトリアの職人によるハンドメイド技術と最高水準のマシンメイド技術が見事に融合た、もう一枚の皮膚のように肌になじむ着心地が特徴。現在は息子であるFederico Orian(フェデリコ・オリアン)がそのフィロソフィーを引き継ぎ、高品質かつバリエーション豊富な色や柄の素材を使用したコレクションを展開。
創業者のオリアン氏はもともと、名門カミチェリアのギローバーの出身。したがってギローバーの流れを汲んでいます。伝統的な職人の勘をマシンメイドによる生産体制に落とし込んだ、品質と価格のバランスに優れている点も、私たちがオリアンを推す理由のひとつです。
ギローバーもオリアンも、北イタリアのブランドですが、オリアンには北イタリアの正統派のシャツでありながら着心地はふんわり柔らかい、今っぽい魅力があると思ってます。イタリアから到着したてのシャツを着たスタッフも、「ふつう、畳んであったシャツっておろしたては固いのに、オリアンにはその固さがない!」と言ってました。
シャツのサイジング(オリアン編)
まず、シャツ選びの要、サイジングについて。
男性のお洋服のサイズ感って難しいんですよね、なぜなら筋肉があるから。単純に太った痩せたということでなく、筋肉がつくことで肩回りが「大きく」なり、全体が引っ張られる感じで袖丈が短くなったりもするのです。痩せたのにシャツのサイズは2サイズ大きくなったというかたもいらっしゃいます。
オリアンのシャツの全体のサイズ感は、やや逆三角形、つまりがっちりした体形のかたには身長問わずよくお似合いです。例えばタリアトーレのような感じ、男性らしいセクシーさがあるイメージです。
華奢なかたは、首回りではなく身幅と胴幅のサイズで選ぶことをお勧めしています。首回りのサイズで選ぶと華奢な人は腰回りがゆるくなりますので。(youtubeでは174cm 67kgの弊店スタイリストがサイズ38を着ております。)
袖丈つめは積極的に
オリアンのシャツはギローバーに比べると、袖丈が長いです。実際9割以上のお客様が袖の長さを直されます。
シャツの袖つめは、パンツの丈直しと同じと考えて積極的に直していただくことをおススメしております。
今まではオーダーメイドのシャツを着ていたが、今はお手持ちのシャツのほとんどを当店でご購入の既製品のシャツに変えたというお客様によると、その理由は着心地や柔らかさ、襟立のきれいさ、にあるようです。袖丈のお直しは簡単ですし、躊躇なく切って大丈夫なんです。
襟の秘密
今回入荷のオリアンは、前回に比べて襟の開きの角度があるものが多いです。角度があって、ぐいっと後ろにのけぞったような襟です。
なぜホリゾンタルが現在の主流になったのかというと、ネクタイをするシーンが減ったから、というのもひとつの背景にあります。
ボタンを開けた時に襟が綺麗に広がるのがホリゾンタルなのです。
オリアンの襟の固くもなく柔らかくもない絶妙な襟立は、首元を開けた時にも実感できます。
そして、第一ボタンの第二ボタンの距離が短いのでボタンをあけたときにだらしなくだらんとするこもなく、清潔な印象のまま。
ジャケットを着たときの襟の収まりの良さもぜひ着た時に実感して頂きたいポイントです。
前立ての秘密
オリアンは全体的にさっぱりとして綺麗なイメージです。洒落ていて都会的でミニマム。 過剰な装飾を排除してもカジュアルになり過ぎないオリアンのシャツの秘密は前立てにあります。
オリアンのシャツは前立てのない仕立てが採用されています。
これは裏前立て、フレンチフロント、フレンチフライなどと呼ばれ、ドレス向きのシャツに多い仕立てです。
縫い目がでる表面にでる仕立て(表前立て、プラケットフロント)のボタンダウンなどのシャツを思い浮かべるとわかるように、裏前仕立ては前立てに装飾がなく、すっきりとしています。 このため、カジュアルダウンしたコーディネートでも綺麗目に決まります。
もう一枚の皮膚のような着心地を目指したシャツ
オリアンのシャツは奇抜なデザインもなし、変わった素材使いもなし。何にでも馴染むし誰が着てもその人を引き立ててくれる。
オーソドックスの品の良さ。一度着るとやめられないその良さは、ブランドの掲げる「もう一枚の皮膚のような着心地を目指したシャツ」も納得です。
私たちが大事にしている、「勤勉にモノづくりをしてるブランドの着心地」を充分に味わっていただけると思います。
お気に入りが見つかりますように→オリアンのシャツ
風薫る季節の札幌も、店内ツアーで感じて下さい♪
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